インフラ近代化 調査報告(ECC導入 / WSL引退 / NAS夜間ジョブ)
調査日: 2026-07-26
依頼: ECCは時代遅れか/Windowsへ寄せてWSLを引退できるか/NASの夜間ジョブで何ができるか
1. ECC(Everything Claude Code)
結論:時代遅れではない。むしろ主流化しており、導入する価値がある
| 項目 | 調査結果 |
|---|---|
| 勢い | 2026年1月にOSS化。GitHubスター 8.2万〜20万規模(※情報源によって数字がばらつくため参考値) |
| 規模 | 28エージェント/119スキル/60コマンド。Claude Code・Cursor・Codex・OpenCode を横断 |
| 最新版 | v1.9.0(2026年3月)で選択インストール機構と12言語対応を追加 |
| 導入方式 | プラグインマーケットプレイス方式(/plugin marketplace add)。手動コピーの時代は終了 |
| 批判 | 「開発者コミュニティを二分している」。批判の中心は肥大(コンテキスト圧迫) |
Windowsとの相性:良い(決定的な材料)
- 全てのhookとスクリプトがNode.jsで書き直されており、Windows / macOS / Linux を公式サポート
- パス正規化を内部で処理し、cmd.exe / PowerShell 環境でのhook実行に対応
- コミュニティ製のPowerShellインストーラも存在
→ 「Windowsへ寄せる」方針とECC導入は矛盾しない。むしろ好都合。
肥大への公式対策(一括導入を避けたいという懸念への答え)
ECC_HOOK_PROFILE=minimal|standard|strict… 読み込むhookの量を段階制御ECC_DISABLED_HOOKS… 個別に無効化- v1.9.0の選択インストール機構
→ minimalプロファイルから始めて、必要なものだけ有効化していく運用が可能。
現状の問題(=導入する動機)
今のシステムは3ヶ月前のECCを手で模倣したコピーであり、上流がどれだけ更新されても取り込まれない。プラグイン方式にすれば更新を追随できる。
注意点
自作の憲法・rules・agentsと衝突する可能性がある。段階導入と差分確認が必須(ecc-researcher の役割)。
2. WSL引退
実測データ
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| VHDXの場所とサイズ | C:\Users\kobaj\AppData\Local\wsl\{48fea016-...}\ext4.vhdx = 14.6GB |
| WSL内部の使用量 | 11GB(/home 7.5GB・/usr 5.6GB・/var 1.3GB) |
| 常時メモリ消費 | vmmemWSL = 458MB |
| Cドライブの空き | 73GB / 465GB ← VHDXがC:を圧迫しているのは事実 |
| Dドライブの空き | 402GB(余裕あり) |
WSLに乗っているもの(実測)
実働(移植が必要)
tools/library-app/deploy.sh+backup.shtools/shosai-app/deploy.shtools/youtube-app/deploy.shtools/portal/deploy.shtools/whisper-youtube.py_system/scripts/nas-publish.sh、tools/md-to-html.py
常駐(移設先の検討が必要)
discord-bot.service(systemd常駐)cron(定期処理)
文書内のコマンド例(動作影響なし・ただし移行時は一括置換が必要)
- カルテ・引き継ぎ書など約30ファイル
公式の追い風
- Claude Codeは2025年末からWindowsネイティブ対応。WSLは必須ではなく選択肢
- v2.1.139(2026年5月)でPowerShellがWindowsの既定シェルになり、Git for Windows依存も撤廃
「PowerShellへ移すと何が圧迫されるか」への回答
ほぼ何も圧迫しない。
- deploy.sh等のスクリプトは実行時だけ動いて即終了する(常駐しない)
- 常駐するのは Discord bot だけで、Node常駐は50〜100MB程度
- 対して WSLは常時458MBを占有している
- → 移した方がメモリは減る。ディスクも14.6GB戻る。
移行の段階案
- 第1段階:deploy.sh 4本+nas-publish.sh+md-to-html.py をPowerShell/Windows Pythonへ移植(中身はSSH転送とファイル変換のみ。Windows標準のOpenSSHで代替可能)
- 第2段階:cronの役割をNASへ移す(→ 第3章)
- 第3段階:Discord botをWindows常駐化(サービス化。Windowsタスクスケジューラのログオン時起動、またはNSSM等のサービスラッパー)
- 第4段階:文書内の
wsl bash -c記述を一括置換 - 第5段階:WSLを「使わない状態」で1〜2週間放置して問題が出ないことを確認 → VHDX削除(14.6GB回収)
原則:消すのは最後。使わない状態を作ってから判断する。
3. NAS夜間ジョブ
実機確認の結果(2026-07-26 SSH実測)
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| 機種 | DS220j(Realtek RTD1296 / aarch64 / DSM 7系) |
| メモリ | 合計484MB・空き74MB ← 最大の制約 |
| ディスク | volume1 = 3.6TB中984GB使用(27%) |
| 負荷 | load average 1.75。ただし内訳は IO 1.7 / CPU 0.03=ほぼディスク待ちでCPUは暇 |
| 稼働 | 16日連続稼働中 |
使えるコマンド(実機で存在確認済み)
curl wget rsync find sqlite3 jq zip tar sed awk / Python 3.8.15 / PHP 8.1.32
→ CPUは暇なので、軽い処理を夜中に直列で回す分にはまったく問題ない。ただしメモリが74MBしかないので、重い処理と並列実行は不可。
実行可能なジョブ(負荷の軽い順)
| # | ジョブ | 内容 | 必要なもの |
|---|---|---|---|
| 1 | 一時レポート掃除 | /claude/r/ の90日超を削除 | find |
| 2 | 一覧ページ生成 | 生きている一時レポート+消滅予定日のindexを自動生成 | find + awk |
| 3 | 死活チェック | 公開ページにHTTPアクセスして200を確認、異常ならDiscord通知 | curl |
| 4 | SQLite世代バックアップ | library.db・shosaiのDBを .backup で安全に複製+zip+世代管理 | sqlite3 + zip |
| 5 | 容量レポート | ディスク使用量の推移を記録し、朝Discordへ通知 | df + curl |
| 6 | ログローテーション | 各アプリのログを圧縮・古いものを削除 | tar + find |
| 7 | 写真・書類の世代バックアップ | volume1内の重要フォルダを別フォルダへ rsync(世代管理) | rsync |
| 8 | リンク切れ検査 | 公開HTML内のリンクを巡回して404を検出 | curl + awk |
NASでやる最大の利点
PCが落ちていても動く。 Windowsのタスクスケジューラは「PCが起動していること」が前提だが、NASは24時間動いている。夜間バッチの置き場としてはNASの方が本質的に正しい。
実装上の注意(重要)
- DSMのタスクスケジューラはWeb GUIで登録する必要がある。SSHから自動登録するのは非推奨(DSMが上書きする可能性)
- → スクリプトの作成・NASへの配置はClaude Codeが実行できるが、スケジュール登録は小林さんがDSM画面で数クリックする必要がある(手順は提示する)
- 各ジョブは直列で実行する(メモリ74MBのため並列は避ける)
- 実行時刻は3〜5時(提案:3:00に掃除→3:10に一覧生成→3:20に死活チェック→4:00にバックアップ)
4. 着手順の提案
| 順 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | NAS夜間ジョブの1・2(一時レポート掃除+一覧生成) | 独立していて壊すものがない。ここで仕組みの型を作る |
| 2 | WSL第1段階(deploy.sh等のPowerShell移植) | 型が決まれば機械的作業。1本ずつ検証しながら |
| 3 | NAS夜間ジョブの3〜6を追加 | 1が動いてから積み増す |
| 4 | ECCのプラグイン方式導入(minimalプロファイル) | 既存システムとの衝突確認が必要なので、上3つが片付いてから |
| 5 | Discord botのWindows常駐化 | WSL引退の最後の砦 |
| 6 | WSL停止 → 観察期間 → VHDX削除(14.6GB回収) | 最後 |
出典
- Everything Claude Code hits 100K stars — Augment Code
- Everything Claude Code (ECC): Open-Source Framework Guide — DataCamp
- Getting Started & Installation | affaan-m/ECC — DeepWiki
- Claude Code on Windows: The New PowerShell Tool
- Install Claude Code on Windows: 2026 Native + WSL Guide — ITECS
- Synology タスクスケジューラ公式ドキュメント(DSM ナレッジセンター)
- ※NASの能力・WSLの実測値は、すべて小林さんの実機で直接確認した値