S07 血糖・体温肝臓・腎臓(54枚) — ライブカード v3

● 骨(画面に無いこと)/# 値(行末に数値)/↳ その数値の比喩(計算済み)/? 発問(n秒・指名なし)/* 小話

S117
S117
● 血糖の異常は、血を測れない時代から尿の甘さで見抜かれた
# 病名mellitus … ラテン語「蜂蜜のように甘い」
↳ 1674年 英ウィリスが尿をなめて命名した
↳ 甘くない方は insipidus=さっき出た尿崩症
# diabetes … ギリシャ語「素通りする管」
↳ 飲んだ水が体を通り抜ける様子から。2世紀の命名
# 糖尿病と予備群 … 日本で約1800万人(2024年)
↳ 20歳以上の6人に1人。大人が6人いれば1人
? 血糖を下げる手段は、体にいくつあるか →5秒
↳ 答えは後半。上げる手の数と並べた時が山場
計算根拠
糖尿病:令和6年(2024)国民健康・栄養調査で「強く疑われる者」約1100万人+「可能性を否定できない者」約700万人=約1800万人。20歳以上人口を約1億500万人として1800÷10500=17.1%→「6人に1人」。語源:diabetes命名は2世紀アレタイオス(ギリシャ語で「サイフォン・通り抜ける」)、mellitus付加は1674年トマス・ウィリスが尿を味見して。insipidus=味がない=尿崩症で、A班slide91(バソプレシン・1日10Lの尿)と接続させ、数値は重複させていない。
S118
S118
● この0.1%は、脳が1時間で燃やし尽くす量しかない
# 脳のグルコース消費 … 1日 約120g
↳ ごはん茶碗2杯ぶんの糖を、脳だけで毎日燃やす
↳ 血に浮く糖の24倍=血中の在庫は1時間ぶん
# 低血糖 … 70mg/dLで冷や汗・50で意識障害
↳ 半分の50で倒れ、倍の200では当日は何も感じない
# 診断ライン … 空腹時126mg/dL・HbA1c6.5%
↳ 100から26上がっただけで糖尿病の名が付く
↳ HbA1c=過去1〜2か月の血糖の平均点
* 血をなめても甘くない=500mLの水に砂糖0.5g
↳ この薄さの糖が尿に出たら、あふれている証拠
計算根拠
脳のグルコース消費は1日約120g(標準値)。120÷24時間=5g/時。血中の糖は血液5L×1g/L=5g(A班slide2「4〜5g」・slide112「約5g=小さじ1杯」と同一値・アンカーも小さじ1杯系で統一。ここでは総量を再掲せず「1時間ぶん」に変換して重複回避)。120÷5=24倍。ごはん茶碗1杯150gの糖質約55g→120÷55=2.2杯。0.1%の等身大=500mL×0.001=0.5g。低血糖は70mg/dLで交感神経症状(冷や汗・動悸)、50mg/dL以下で中枢神経症状。診断は空腹時126mg/dL・HbA1c6.5%(日本糖尿病学会)→126−100=26。
S120
S120
● 3つは「測る・命じる・出し入れする」で役が割れている
↳ 視床下部が測り、すい臓が命じ、肝臓が現物を動かす
# 肝臓 … 約1.4kg=すい臓(100g)の14倍
↳ 腹でいちばん重い臓器。糖の在庫はこの巨体が持つ
* 「膵」は日本で作られた漢字=中国にもなかった
↳ 1805年 蘭学者の宇田川玄真が造字し中国へ渡った
↳ pancreas=ギリシャ語で「全部が肉」=骨も筋もない
* すい臓は胃の裏に隠れ、体表からは触れない
↳ 解体新書(1774年)では名がなく「大機里爾」と音写
? この3つで、糖そのものを持つのはどれ →5秒
↳ 肝臓だけ。他2つは指示を出すが在庫は持たない
計算根拠
肝臓は成人で1.2〜1.5kg→1.4gを採用。すい臓100g(A班slide87・95と同一値)→1400÷100=14倍。A班slide89で脳1300gを既出なので「腹でいちばん重い臓器」と表現し、脳との重さ比較は重複回避。「膵」は1805年『医範提綱』で宇田川玄真が作った国字(月=にくづき+萃=あつまる)で、のち中国へ渡った(現在の中国語は胰)。pancreas=pan(全部)+kreas(肉)。解体新書(1774年)ではオランダ語klierの音写「大機里爾」。視床下部の重さ(4g=一円玉4枚)はA班slide3・89で二度既出のため、ここでは触れずアンカー重複を避けた。
S123
S123
● 島の中では、下げる係のほうが数で勝っている
? A細胞とB細胞、島に多いのはどっち →5秒
↳ 答えはB細胞。ホルモンの種類数とは逆の多数決
# ヒトの島 … B細胞 約5〜6割・A細胞 約3〜4割
↳ 島1個は細胞約1000個の球。太さは髪の毛1本ぶん
* グルカゴンはインスリン精製中の「不純物」だった
↳ 1923年、血糖を上げてしまう混ざり物の正体
↳ 名は glucose(糖)+agon(動かす)=糖を動かすもの
* すい臓のB細胞は、免疫のB細胞とは別物
↳ こちらはβ細胞のB。免疫のBは鳥の器官の頭文字
計算根拠
ヒト膵島の細胞構成はβ約54%・α約35%・δ約11%(Cabrera et al. 2006, PNAS)→「B細胞5〜6割・A細胞3〜4割」。島1個の細胞数は約1000個。島の直径0.1mm=髪の毛1本(0.08mm)はA班slide95と同一アンカーを踏襲し、別アンカーへの言い換えを避けた。1869年ランゲルハンス22歳・島は膵臓の1〜2%・約100万個・血流10〜15%独占・インスリン特許1ドルはA班slide76/95で既出のため全て除外。グルカゴンは1923年 Kimball & Murlin が膵抽出物中の高血糖因子として発見・命名(glucose+agon=糖を動かすもの)。免疫のB細胞は鳥のファブリキウス嚢(bursa)由来の頭文字で、膵B細胞(β細胞)とは語源も無関係。
S125
S125
● 肝臓の糖の在庫は、丸一日ももたない
# 肝臓のグリコーゲン … 約100g(肝重量の5〜8%)
↳ 脳が1日に使う120gに届かず、一晩で半分近く減る
# 筋肉のグリコーゲン … 約400g・肝臓の4倍
↳ 多いのに血糖には出せない=筋肉専用の備蓄
# 枝分かれ … グルコース10個ごとに枝を出す
↳ 端が多いほど同時にちぎれる=急ぎの取り崩しに強い
↳ 1粒に約5万個が詰まった毛玉。数珠でなく枝
* マラソンの「30kmの壁」=筋の在庫が尽きる地点
↳ 前日に炭水化物を詰めるカーボローディングで積み増す
* 絶食で肝の在庫が尽きると、筋肉を壊して糖を作る
↳ 断食で減るのは脂肪だけではない
計算根拠
肝グリコーゲンは約100g(肝重量1.4kg×5〜8%=70〜112gと整合/slide120の1.4kgと同一値)。slide118で出した脳の1日消費120gと同じ土俵(グラム)で対応させ、在庫が1日に届かないことを示した。一晩絶食で肝グリコーゲンは4〜5割減。筋グリコーゲンは約400g→100gの4倍(同一単位で比較)。筋肉はグルコース-6-ホスファターゼを持たないため血糖に放出できない。分枝はα1,6結合が8〜12残基ごと→「10個ごと」。グリコーゲン粒子1個あたり約55,000残基→「約5万個」。現行ノートの「数珠」の比喩は枝分かれと食い違うため、毛玉に置き換えた。
S127
S127
● 低すぎは数分で・高すぎは数十年で命を削る
↳ だから体は上げる側を3重にし、下げる側は1本で済ませた
# 低血糖で意識が飛ぶまで … 数分〜十数分
↳ 脳の在庫は1時間ぶん。倒れたら自力で糖を取れない
# 高血糖が目と腎臓を壊すまで … 10〜20年
↳ 痛みが出ない。自覚した頃には手遅れだから毎年測る
* 日本人の砂糖消費は1974年の年30kgから今16kgへ半減
↳ それでも糖尿病は増えた=甘い物だけが犯人ではない
↳ 砂糖の統計に入らない異性化糖と、動かない生活が効く
* 世界の糖尿病 … 1990年2億人→2022年8億3000万人
↳ 32年で4倍。同じ期間の人口の伸びは1.5倍だけ
計算根拠
A班slide95で「上げ3人・下げ1人」「飢えは毎日」を既出のため、非対称の事実列挙を避け、時間軸(低血糖は数分・高血糖は10〜20年)という別の切り口で理由づけした。低血糖:50mg/dL以下で数分〜十数分で意識障害。脳の在庫1時間ぶんはslide118の計算(血中5g÷5g/時)を再利用。合併症(網膜症・腎症)は発症10〜20年で顕在化。砂糖消費:昭和49年(1974)30.4kg→令和元年(2019)16.2kg=半減(精糖工業会)。※増加を前提にした説明は誤りだったので実データで反転させ、異性化糖が砂糖統計に含まれない点を補足。世界の糖尿病:1990年約1億9800万人→2022年約8億2800万人=4.2倍(NCD-RisC/Lancet 2024)。同期間の世界人口53億→80億=1.5倍。
S128
S128
● インスリンは、見つかる前に名前だけ先に付いた
# 命名 … 1909年 ド・メイエル=ラテン語insula「島」
↳ 実物が取れたのは12年後の1921年
↳ 島から何か出ているという確信だけが先にあった
# 中身 … アミノ酸51個・2本の鎖
↳ 1955年サンガーが全配列を解読=タンパク質で世界初
↳ この1件で1958年ノーベル化学賞
* 1982年、世界初の遺伝子組換え医薬品もインスリン
↳ それ以前はウシとブタの膵臓から抽出していた
↳ 患者1人の1年分に動物約30頭ぶんの膵臓が要った
* インスリンは飲めない=タンパク質なので胃で消化される
↳ 100年経っても注射のまま。飲み薬の研究は今も続く
計算根拠
insuline命名は1909年 J. de Meyer(ラテン語insula=島)、実体の単離は1921年=12年差。インスリンはA鎖21+B鎖30=アミノ酸51個の2本鎖。サンガーが1955年に全一次構造を決定(タンパク質で世界初)、1958年ノーベル化学賞。Humulin承認は1982年10月で世界初の遺伝子組換え医薬品。動物膵臓時代の規模は「インスリン1ポンドに動物23,500頭ぶんの膵臓、それで患者750人の1年分」(FDA/ACS)→23,500÷750=31.3頭=患者1人1年あたり約30頭。A班slide95のインスリン特許1ドル・バンティング名言、slide83の血中濃度0.5ng/mLとは重複させていない。
S129
S129
● B細胞は糖を数えず、実際に燃やして量を測る
# 感知の順 … 糖→ATP増→カリウムの穴が閉じる→分泌
↳ 濃度計でなく発電量メーター。燃えた分だけ蛇口が開く
# 立ち上がり … 血糖が上がって1〜2分で分泌開始
↳ 作りだめの顆粒を先に出し、足りなければ作りながら続ける
* 糖尿病の飲み薬の一種は、このカリウムの穴を薬でふさぐ
↳ 血糖が低くても蛇口が開く=効きすぎると低血糖で倒れる
* B細胞は大人になるとほとんど増えない
↳ 壊れたら戻らない=1型糖尿病が一生注射になる理由
計算根拠
画面(body)に「B細胞自身が感知」「下げられるのはインスリンのみ」が既に載っているため、非対称の再掲を避け、画面にない“どうやって測るか”に全振りした。感知機構:GLUT2でグルコース流入→グルコキナーゼ→ATP/ADP比上昇→KATPチャネル閉鎖→脱分極→Ca流入→顆粒の開口分泌。第1相は刺激後2〜5分でピーク(既成顆粒の放出)、第2相は新規合成を含み持続。SU薬はSUR1に結合してKATPを閉じるため血糖非依存に分泌させ、低血糖を起こしうる。成人ヒトβ細胞のターンオーバーは極めて低い。数値は時間(1〜2分)のみで、蛇口・メーターという動作の比喩で像を作った。
S130
S130
● 脳の経路のおかげで、口に入れた瞬間から分泌が始まる
↳ B細胞は上がってから、脳は上がる前から動く
# 頭相の分泌 … 味と匂いだけで2〜4分後に立ち上がる
↳ 消化を待たない先回り。遅れると食後の血糖が跳ねる
# 通り道 … 副交感神経=迷走神経(第10脳神経)
↳ 12対で唯一、首を越えて腹まで下る神経
↳ vagus=ラテン語「さまよう」=迷走が訳語の由来
? 感知役が2つある利点は何か →5秒
↳ 細胞は確実だが遅い・脳は速いが当てずっぽう
* 緊張で交感神経が優位だと、インスリンは抑えられる
↳ 戦う場面で血糖を下げている場合ではない
↳ 試験中や試合中に血糖が上がるのはこれ
* よく噛んでゆっくり食べると血糖の跳ね方が穏やか
↳ 先回り分泌に助走時間を与えるから
計算根拠
頭相インスリン分泌(cephalic phase)は視覚・味覚・嗅覚刺激後2〜4分で立ち上がり、消化吸収による血糖上昇より前に起こる=「先回り」。迷走神経は第X脳神経で、12対の脳神経のうち唯一腹部内臓まで達する。vagusはラテン語で「さまよう」=和訳「迷走」の由来。膵臓への副交感支配は迷走神経経由。交感神経優位(α2受容体を介する)ではインスリン分泌が抑制される。比喩は数値でなく時間軸の対応(「上がってから/上がる前から」)で作り、A班slide4の循環時間1分・slide79の神経100m/s とは別の土俵にして重複を避けた。
S131
S131
● 肝臓は糖の銀行・血に浮く量の20倍を預かる
# 肝臓のグリコーゲン … 満タンで約100g
↳ 血中の糖5g(小さじ1杯)の20倍を裏で持っている
# 筋肉のグリコーゲン … 約250〜300g
↳ 量は肝臓の3倍でも、筋肉は血へ1gも返さない
↳ 血糖に回せるのは肝臓の100gだけと考えてよい
* 肝細胞の門は、もともと開きっぱなし
↳ インスリンは門でなく、つないで固める側を速める
* グリコーゲンは1gにつき水3gを抱えて貯まる
↳ 糖質を抜いて最初に落ちる1〜2kgは水で、脂肪は残る
計算根拠
肝グリコーゲン満タン約100g ÷ 血中の糖5g=20倍(血中5g=小さじ1杯はA班slide2/112と同じアンカーを踏襲)。筋グリコーゲンは成人で約250〜300g=肝の約3倍。筋にはグルコース-6-ホスファターゼがないため血糖へは戻せない。グリコーゲンは1gあたり水約3gを伴うので、肝+筋の計約400gが枯れると水込みで400×3=1200g+グリコーゲン自体400g=約1.6kg→「最初に落ちる1〜2kgは水」。出典:グリコーゲン貯蔵量(Wikipedia日本語版/わかさの秘密)。
S134
S134
● 下げ役1人が、肝臓・筋肉・脂肪へ同時に手を打つ
# インスリンが動かす糖の行き先 … 8割が筋肉
↳ 主力は肝臓でなく筋肉=歩くだけで血糖が動く
# 食後の血糖の山 … 30〜60分でピーク
↳ 2時間で140mg/dL未満まで戻れば正常と判定する
# インスリンの血中半減期 … 約5分
↳ カップ麺3分より少し長いだけ=出し続けて初めて効く
* 分泌は二段構え・最初の数分は作り置きを放出する
↳ 作りながら出すのは後半=食べた瞬間から間に合わせる
* 図の矢印はすべて「しまう」向きで、燃やす矢印がない
↳ 下げる=消すでなく隠す。だから食べすぎれば太る
計算根拠
骨格筋はインスリン刺激下の全身グルコース取り込みの約80%(高インスリン正常血糖クランプ試験で一貫、Diabetes Care 2009/Circ Res 2025ほか)。食後血糖は30〜60分でピーク、OGTT2時間値140mg/dL未満が正常型の基準。インスリンの血中半減期は4〜6分→約5分とし、カップ麺3分を等身大アンカーに「3分より少し長いだけ」。二相性分泌の第1相は既成の分泌顆粒の放出で数分、第2相が新規合成。
S135
S135
● 下がりすぎは分で死に、上がりすぎは年をかけて壊す
# 脳が1日に使うグルコース … 約120g
↳ 小さじ24杯ぶん。血に浮いているのは小さじ1杯だけ
↳ 24時間ぶんを1杯で回すから、止まれば即座に飢える
# 脳の重さ … 1.3kg(体重60kgの約2%)
↳ 2%の重さで、全身が使う糖の2割を食べていく
# 低血糖と呼ぶ線 … 70mg/dL未満
↳ 平常100から30下がるだけで、手が震え冷や汗が出る
* 50mg/dL台まで落ちると意識が飛ぶ
↳ 正常の半分。脳は糖を貯金できず、待ってくれない
? 寝ている間、脳が使う糖はどこから来るか →10秒
計算根拠
脳のグルコース消費は成人で約120g/日(生化学工業「糖質科学」)。120g÷小さじ1杯5g=24杯。血中の糖は5g=小さじ1杯(A班既出)なので、脳の1日必要量は血中在庫の24倍=在庫は1時間もたない計算。脳の重さはA班slide3/89と同じ1300gを踏襲し、体重60kgの2.2%=約2%。脳のエネルギー消費は全身の20〜25%なので「2%の重さで2割」。低血糖の定義は70mg/dL未満、50mg/dL台で中枢神経症状(意識障害)。100−70=30。
S136
S136
● 3人は仲間でなく、出番の時間帯が違う交代要員
# アドレナリン … 数秒で効く(急場担当)
↳ 驚いた・走った・ぶつかった、その場で立ち上がる
# グルカゴン … 数分〜数時間(日常担当)
↳ 食事の間と睡眠中の主役で、毎日いちばん働いている
# 糖質コルチコイド … 数十分〜数時間(長期戦担当)
↳ 遺伝子を読ませて酵素を作らせるので、出足が遅い
* 3人とも肝臓を叩くが、叩き方はそろっていない
↳ 前の2人は貯金を崩し、3人目は材料から作らせる
計算根拠
比喩は「時間」に統一(同ジャンル・同単位で対応)。アドレナリンは神経直結で数秒、グルカゴンは膜受容体→cAMPで数分〜数時間、糖質コルチコイドは核内受容体経由の転写調節なので数十分〜数時間。画面に3つの名前が既に出ているため、名前の列挙はせず「担当時間帯」だけを足して薄く作った。
S140
S140
● 血糖の見張り番は、すい臓の中に住み込んでいる
# 島の中身 … B細胞7〜8割・A細胞2割弱・D細胞5%
↳ 下げ役が多数派で、上げ役は2割の少数精鋭に見える
# A細胞が動き出す線 … 血糖70mg/dL前後
↳ 100から3割落ちた時点で発進し、手遅れを防いでいる
* 上げ役と下げ役が同じ島に同居し、互いを牽制し合う
↳ インスリンが出ている間はグルカゴンが抑えられている
↳ 同じ建物にいるから、上げ下げの切り替えが秒で済む
* 1型糖尿病では、この牽制も一緒に壊れる
↳ 下げ役が消えるうえ、上げ役の抑えも外れて二重に崩れる
計算根拠
ヒト膵島の細胞構成はB(β)細胞75〜80%・A(α)細胞15〜20%・D(δ)細胞約5%(医学でポン/看護roo!)→「7〜8割・2割弱・5%」。A細胞のグルカゴン分泌が立ち上がる血糖はおよそ70mg/dL前後で、正常100mg/dLからの低下幅30÷100=3割。※ヒトの膵島ではA細胞は外周だけでなく島内に散在するため、げっ歯類的な「外周に並ぶ」表現は使わなかった。
S141
S141
● 脳は自分が飢える前に、先回りして手を打つ
# 視床下部のセンサー … 血糖で発火が変わる神経細胞
↳ 脳が舌のように、通る血の甘さを直接なめている
# 防衛の順番 … ①インスリン停止②グルカゴン③アドレナリン
↳ 下がるほど強い手を順に出し、震えが来るのは③の段階
↳ 冷や汗に気づく頃には、体はもう2手を打ち終えている
* 低血糖で交感神経が動く=体が非常事態と判定している
↳ 動悸も手の震えも、戦うか逃げるかと同じ反応が出る
* 感知役を脳とすい臓の2か所に置くのは保険
↳ 片方が鈍っても、もう片方が上げ役を起こしにいく
* すい臓は目の前の血・脳は全身の帳尻を見ている
↳ 見ている範囲が違うから、二重にしても無駄にならない
計算根拠
低血糖への生体防御は段階的で、①インスリン分泌の停止→②グルカゴン分泌→③アドレナリン分泌→④自覚症状(震え・冷や汗)の順に発動し、ホルモン反応の閾値は自覚症状の閾値より高い(MSDマニュアル プロフェッショナル版「低血糖」)。数値(70/50mg/dL)はslide135・140で出したため、この枚では順序だけを扱い重複を避けた。視床下部にはグルコース感受性ニューロンがあり、血糖に応じて発火頻度が変わる。
S142
S142
● 朝の血糖を作っているのは、寝ている間の肝臓
# 一晩8時間で肝臓が血へ出す糖 … 約60g
↳ 小さじ12杯ぶん。貯金100gの6割を寝ながら取り崩す
# 肝臓の在庫が尽きるまで … 12〜18時間
↳ 朝食を抜くと昼前に空になり、材料集めへ切り替わる
* グルカゴンは、肉を食べたときにも出る
↳ タンパク質だけの食事で低血糖に落ちないための保険
* 空きっ腹の深酒が危ないのは、肝臓が糖を作れなくなるから
↳ 在庫切れと製造停止が重なり、血糖が底まで落ちる
計算根拠
肝臓の内因性グルコース産生は安静空腹時で約2mg/kg/分。体重60kgなら120mg/分=7.2g/時、睡眠8時間で7.2×8=57.6g→約60g。60g÷小さじ1杯5g=12杯(A班と同じ小さじ5gアンカー)。60g÷肝グリコーゲン100g(slide131で提示)=0.6=6割。絶食で肝グリコーゲンが枯渇するのは12〜18時間(Wikipedia日本語版「グリコーゲン」)。アミノ酸はグルカゴン分泌刺激になり、高タンパク食後の低血糖を防ぐ。エタノール代謝でNADHが増えると糖新生が阻害される。
S143
S143
● 副腎は帽子でなく、生い立ちの違う2臓器の合体
# 体積の比 … 皮質が約9割・髄質は約1割
↳ 5gのうち髄質は0.5g=脳下垂体と同じラムネ1粒ぶん
# 皮質ホルモンの材料 … コレステロール
↳ 悪者にされる脂が、血糖を上げる材料になっている
* 皮質は体の壁から・髄質は神経から生まれ、後で合体した
↳ 別々の生まれの組織が、同じ袋に入って一つに見える
* 胎児の副腎は、おなかの中では腎臓に並ぶ大きさ
↳ 生まれた時で腎臓の3分の1、大人では30分の1まで縮む
↳ 出産の準備を担う胎児専用の層が、生後に消えるため
計算根拠
副腎は皮質が腺重量の約90%・髄質が約10%(Britannica/StatPearls)。副腎1個5g(A班slide87/94の値を踏襲)×10%=0.5g。0.5gはA班slide87で脳下垂体=ラムネ1粒として使ったアンカーなので、同じ量には同じアンカーを再利用した(一円玉半分などへ言い換えていない)。胎児副腎は妊娠20週でほぼ腎臓と同大、出生時で腎臓の約1/3、成人で約1/30(Ultrasound Obstet Gynecol/Radiologic Clinics 胎児副腎の発生)。皮質ホルモンはすべてコレステロール由来のステロイド。
S144
S144
● アドレナリンだけ、脳が神経で直に叩いて出させる
# 命令の届き方 … 血でなく交感神経を通る
↳ 手紙でなく直通電話。届くまでの時間の桁が違う
# 刺激から分泌まで … 数秒
↳ 危ないと思った直後に心臓が跳ねるのは、これが出たから
# 血中の半減期 … 約3分
↳ 心肺蘇生で3分ごとに足すのは、それだけ早く切れるから
* ジェットコースターもホラー映画も、出るのは同じ物質
↳ 体は本物の危機と娯楽を区別せず、怖い遊びが楽しくなる
* 血糖を上げるのは、走り出す前に燃料を配るため
↳ 心拍・呼吸・血糖が同時に上がり、動く準備が一式そろう
計算根拠
副腎髄質はクロム親和性細胞が交感神経節後ニューロンに相当し、節前線維が直接シナプスを作る=中継が1回少ないため刺激から数秒で分泌される。アドレナリンの血中半減期は3〜5分(看護roo!/医療用医薬品添付文書)→約3分とし、心肺蘇生でアドレナリンを3〜5分ごとに追加投与する運用(JRC蘇生ガイドライン)と対応させて等身大化した。副腎の重さ・高峰譲吉・エピペンはA班slide87/94で既出のため再掲していない。
S146
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● ストレスは気分でなく、体に出る変化として定義された
# 定義した人 … 1936年 ハンス・セリエ 29歳
↳ 物理で鉄骨のたわみを指す「応力」を体へ転用した
* 最初の論文では「ストレス」の語を使わせてもらえなかった
↳ 抽象的だと却下され、汎適応症候群と書くしかなかった
* どんな刺激を与えても、動物に必ず現れた3つの変化
↳ ①副腎皮質が腫れる②リンパ組織が縮む③胃に潰瘍ができる
↳ 真っ先に腫れた副腎皮質が、いま話しているホルモンの工場
# コルチゾールの山 … 早朝6〜8時
↳ 目覚ましより先、眠っている明け方から上がり始める
# 谷 … 深夜0時ごろ、朝の3分の1以下
↳ 夜ふかしで谷が埋まると、翌朝の立ち上がりが鈍る
* 効き始めが遅いのは、遺伝子を読ませて酵素を作らせるから
↳ アドレナリンは秒・こちらは数十分かかり、そのぶん長い
計算根拠
ハンス・セリエは1907年1月26日生まれ、1936年のNature論文発表時に29歳(ハンガリー生まれ・カナダのマギル大学で研究)。当時「ストレス」は抽象的だとして論文中で使えず、汎適応症候群(general adaptation syndrome)と記した。あらゆる侵襲で共通して現れた3徴=副腎皮質肥大・胸腺リンパ組織萎縮・胃十二指腸潰瘍。コルチゾールは早朝6〜8時にピーク、深夜0時前後に最低で、血中値は朝10〜20µg/dLに対し深夜5µg/dL未満=朝の3分の1以下(SRL総合検査案内ほか)。1日分泌量20mg=米1粒はA班slide94/103で既出のため再掲していない。
S147
S147
● 体は最後、自分の筋肉を溶かしてでも脳に糖を送る
# 肝臓にある糖の在庫 … 約100g
↳ 血に溶けた糖5g(小さじ1杯)の20回分、それだけ
# 脳が1日に使う糖 … 約120g
↳ 在庫100gは丸1日もたない=寝ている間に底をつく
# 絶食が続くと崩す筋肉 … 1日タンパク質 約75g
↳ 生の肉なら約350g=鶏むね1枚ぶんが毎日消える
* 脂肪はほとんど糖に変えられない(グリセロールだけ)
↳ 脂肪が10kgあっても、削られるのは筋肉のほう
* 糖質コルチコイドのピークは明け方4〜6時
↳ 起きる前に糖新生で血糖を用意する=目覚めの燃料
計算根拠
肝グリコーゲン=肝重量約1500g×5〜8%=75〜120g→約100g。血糖5g(100mg/dL×血液5L・A班slide2/112と同値)で割って20倍。脳のグルコース消費は約120g/日(全身の約6割)→在庫100g<120gなので1日もたない。飢餓初期の体タンパク異化は約75g/日(Cahill)。筋肉は湿重量の約21%がタンパク質→75÷0.21=357g、鶏むね肉1枚250〜300gなので「約350g=1枚ぶん」。脂肪酸からは糖新生できず、使えるのはグリセロール(中性脂肪重量の約5%)のみ。コルチゾールの日内ピークは午前4〜6時(暁現象)。
S150
S150
● 進化が備えるのは今日死ぬ危険だけ・20年後の病気は守備範囲外
# 低血糖 … 50mg/dL台で意識がもうろう
↳ 放置すれば数時間で死ぬ=進化がいちばん恐れた事故
# 高血糖が人を殺すまで … 20〜30年
↳ 子を残した後に効く病気には、淘汰の圧力がかからない
# ヒト属の歴史 … 約250万年・農耕は1万年前
↳ 1年に縮めると農耕は12月30日、飽食は大晦日の最後の15分
# 日本人の糖類摂取 … 1人1日 約57g
↳ 小さじ11杯。血に溶けている糖5gの11倍を毎日流し込む
* 脳はグルコースしか燃やせない(飢餓時のケトン体が唯一の代役)
↳ だから体は上げる側だけ三重の保険をかけた
? 進化がインスリンをもう1つ用意しなかった理由は →5秒
計算根拠
ホモ属約250万年、農耕開始約1万年前→1万÷250万=1/250、365日÷250=1.46日=12月30日ごろ。飽食(戦後約60年)→60÷2,500,000×365日=0.0088日=12.6分→「最後の15分」。日本人の糖類摂取は砂糖14.5kg+異性化糖で年20.7kg=1日約57g(令和5年度・農畜産業振興機構)→57÷5g(小さじ1杯)=11杯、血中の糖5gの11倍。低血糖は50mg/dL台で中枢神経症状が出て数時間で致命的、一方で合併症の顕在化は10〜30年。「250万年」「1万年」「60年」を全部同じ1年カレンダー単位に揃えた(v2追記2の同単位ルール)。
S151
S151
● 糖尿病は血が甘い病気でなく、細胞が糖を受け取れない病気
↳ 鍵が回らず糖は血に取り残される=血は甘いのに細胞は飢える
# 尿に糖が出はじめる血糖 … 約170〜180mg/dL
↳ 正常100の1.8倍。腎臓が回収しきれずに糖がこぼれる
↳ こぼれた糖が水を引き連れる=尿が増え、喉が渇き、痩せる
# 糖尿病が強く疑われる人 … 約1,100万人
↳ 成人の10人に1人。男性は17.7%=6人に1人
# 予備群 … 約700万人
↳ 合わせて1,800万人=日本人の7人に1人が線の上か手前
? 血糖を下げられないと、体はまず何に困るか →5秒
* 高血糖そのものは痛くもかゆくもない
↳ 症状が出たときには10年たっている=気づくのが最後
計算根拠
腎の糖排泄閾値は約170〜180mg/dL→正常100mg/dLの1.7〜1.8倍。糖が尿に出ると浸透圧利尿で多尿→口渇→体重減少(三大症状の因果を1本の鎖にした)。糖尿病が強く疑われる者1,100万人・予備群(可能性を否定できない者)700万人=令和6年国民健康・栄養調査(2025年12月公表)。成人の10人に1人・男性17.7%(=5.6人に1人→6人に1人)。1,100+700=1,800万人÷総人口約1億2,400万=14.5%=約7人に1人。
S152
S152
● 病名になっているのは尿だが、壊れているのは血糖を下げる仕組み
# 病名の由来 … ラテン語 mellitus=蜜のような
↳ 1600年代の医師は、尿をなめて甘さで診断していた
# 記録に残る日本最古の患者 … 藤原道長(966〜1027)
↳ 小右記に「日夜を問わず水を飲み、口は乾いて力無し」
↳ 顔を近づけても相手が誰か分からない=目の合併症
* 当時の病名は「飲水病」=水を飲み続ける病
↳ 伯父・兄・甥も飲水病=平安の藤原家は糖尿病家系
* 「この世をば我が世とぞ思ふ」を詠んだのは1018年
↳ 望月の歌の翌年には目を病み、62歳で没
計算根拠
比喩計算なし(年号・語源・史料の事実で構成)。mellitus=ラテン語「蜜のような」、1675年トマス・ウィリスが diabetes に付加し diabetes mellitus に。藤原道長966〜1027(62歳没)、望月の歌は寛仁2年=1018年。『小右記』『御堂関白記』に多飲・口渇と、顔を近づけても相手が判別できない視力低下の記述(日本糖尿病協会)。伯父伊尹・兄道隆・甥伊周も飲水病の記録。
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S153
● 1型と2型は、名前が似ているだけで原因が正反対
# 日本の内訳 … 2型が約95%・1型は5%未満
↳ 1型は生活習慣と無関係=食べすぎでなるのは2型だけ
# 子どもの1型発症 … 日本は10万人に年2.4人
↳ 世界一のフィンランドは40人前後=日本の十数倍
↳ なぜ北欧に集中するかは今も未解明
# 一卵性双生児で2人ともなる率 … 2型7〜9割・1型3〜5割
↳ 生活習慣病と呼ばれる2型のほうが、実は遺伝が強い
# 1型の治療 … インスリン注射を一生・毎日4回前後
↳ インスリンはタンパク質=飲むと胃で消化されて効かない
* 日本人の2型は太っていなくても起きる
↳ 患者の平均BMIは約24・欧米は約30=もともと分泌力が弱い
? 太った人がなりやすいのは1型・2型のどちらか →5秒
計算根拠
日本の糖尿病の約95%が2型、1型は5%未満。小児(0〜14歳)1型発症率は日本10万人あたり年2.4人、フィンランドは報告により36.5〜57.6人→中央的に「40人前後」、40÷2.4=16.7倍→「十数倍」。一卵性双生児の発症一致率は2型70〜90%・1型30〜50%。日本人2型患者の平均BMIは約24、欧米の2型は約30。インスリンはペプチドホルモンなので経口では消化酵素で分解され、注射しか手段がない。
S154
S154
● 見るのは山の高さでなく、戻る速さ=下げる力そのもの
# 正常 … 食後30〜60分が頂点・2時間で140未満へ戻る
↳ 健康な人も140近くまで上がる=上がること自体は異常でない
# 糖尿病型 … 食後2時間で200mg/dL以上
↳ 血液5Lに溶けた糖が10g=小さじ2杯。正常は5gで1杯
# 検査で飲む糖 … ブドウ糖75g
↳ 小さじ15杯=コーラ500mL(砂糖56g)1.3本を一気飲み
? 下がり方が遅いのは1型・2型のどちらか →5秒
* 今は500円玉より一回り大きいセンサーを腕に貼る
↳ 2週間貼りっぱなしで、このグラフが自分の体で見える
計算根拠
正常はブドウ糖負荷後30〜60分でピーク、2時間値140mg/dL未満。糖尿病型は2時間値200mg/dL以上→200mg/dL=2g/L×血液5L=10g、小さじ1杯5gで2杯(正常100mg/dL=5g=1杯・A班slide2/112と同じアンカーで対応させた)。75gOGTTの75g÷5g=小さじ15杯。コーラ500mLの砂糖56g(A班slide2と同値)→75÷56=1.34本。CGMセンサーは直径約35mm・厚さ5mm、500円玉は直径26.5mmなので「一回り大きい」、装着期間は2週間。
S155
S155
● 高血糖は痛くない代わりに、全身の血管を内側から焦がす
# 全身の血管をつなぐと … 約10万km
↳ 地球2周半。うち95%が毛細血管=壊れるのは細い側から
# 毛細血管の太さ … 5〜10µm
↳ 赤血球(約8µm)が体をよじって1個ずつ通る細さ
# 高血糖で進む糖化 … ホットケーキの焼き色と同じ反応
↳ 体温37℃で何十年も弱火。焦げたタンパク質は元に戻らない
? 太い血管と細い血管、先に壊れるのはどちらか →5秒
* 血管が傷んでも自覚症状はゼロ
↳ 痛みを伝える神経も同時に壊れる=警報が鳴らないまま進む
計算根拠
成人の血管の総延長は約10万km、地球一周4万kmで割って2.5周=「2周半」。うち毛細血管が全長の約95%。毛細血管の内径5〜10µmに対し赤血球の直径は約8µm=ぎりぎり1個ずつ通過。糖化はメイラード反応の生体版(非酵素的糖化→AGEs生成)で、調理は高温短時間、体内は37℃・数十年という「同じ反応・違う火加減」の対応で言い切った。
S156
S156
● 壊れる順番は決まっている=「しめじ」は覚え方でなく時間割
# 順番 … 神経5年→目10年→腎臓15年
↳ し(神経)め(目)じ(腎臓)=発症の早い順に並ぶ
# 中高年の失明原因 … 糖尿病網膜症が第2位(1位は緑内障)
↳ 目の奥の毛細血管が詰まる。痛みなく見え方が欠けていく
# 透析を始める原因 … 糖尿病腎症が約4割で第1位
↳ 週3回×4時間=年600時間。1年のうち26日はベッドの上
# 壊疽による足の大切断 … 年 約3,000人
↳ 神経がやられて痛みを感じず、靴ずれに気づかず進む
* 「しめじ」の裏に「えのき」=壊疽・脳梗塞・虚血性心疾患
↳ 細い血管が「しめじ」・太い血管が「えのき」
計算根拠
合併症の発症目安は神経障害5年前後→網膜症10年前後→腎症15年前後で、語呂「しめじ」の並びと一致。中高年の失明原因は1位緑内障・2位糖尿病網膜症(全年齢の2019年度調査では3位)。透析導入の原疾患第1位は糖尿病性腎症38.3%(2023年・日本透析医学会)=約4割。透析時間は週3回×4時間=12時間×52週=624時間→624÷24=26日=「1年のうち26日はベッドの上」。糖尿病足壊疽による大切断は年約3,000人(膝上等の大切断のみ、足趾の小切断は除く)。
S157
S157
● この126という線は、目が壊れ始める血糖値から逆算して決めた
# 空腹時血糖 … 126mg/dL以上で糖尿病型
↳ 血液5Lの糖は6.3g=小さじ1杯と4分の1。正常は5gで1杯
↳ 小さじ4分の1増えるだけで病名がつく=それだけ幅が狭い
# 126が半端な理由 … 世界標準7.0mmol/Lの換算値
↳ 18を掛けただけ。mg/dLを使う国が少数派なので半端に見える
# HbA1c … 6.5%以上で糖尿病型
↳ ヘモグロビン1000個のうち65個に糖が付いた状態
↳ 正常は約55個=1000個中10個の差が病気と健康の境
# HbA1cが映す期間 … 過去1〜2か月
↳ 赤血球の寿命120日ぶんの平均=前日の節制では動かない
* 1回の高値では診断せず、原則は別の日に2回そろって確定
↳ 風邪でもストレスでも血糖は上がる(アドレナリンとコルチゾール)
計算根拠
126mg/dL=7.0mmol/L×18(グルコースのmmol/L→mg/dL換算係数18)。126mg/dL×血液5L(50dL)=6,300mg=6.3g、小さじ1杯5gで割って1.26杯=「1杯と4分の1」(正常5g=1杯・A班slide2/112と同じアンカー)。HbA1c6.5%=ヘモグロビン1000個中65個が糖化、正常5.5%=約55個、差は1000個中10個。赤血球寿命約120日のため過去1〜2か月の平均血糖を反映。診断基準値(空腹時126・HbA1c6.5%)は網膜症の有病率が立ち上がる点から設定された疫学由来の線。
S158
S158
● 37℃を保つのは、燃料を燃やし続けて買う贅沢
# 安静時のヒトが出す熱 … 約70W
↳ 白熱電球1個(60W)とほぼ同じ。座るだけで発熱体
# 40人の教室なら … 合計約2800W
↳ 1200Wの電気ストーブ2台ぶん。冬の教室が暑いのは人のせい
* 同じ体重のは虫類と比べ、安静時の燃費は6〜10倍
↳ ヘビは月1回の食事で足りる。毎日食べる義務は37℃の請求書
? それでも恒温をやめない見返りは何か →5秒
↳ 夜も冬も同じ速さで動ける=いつでも狩れる・逃げられる
計算根拠
70W:基礎代謝1500kcal/日=1500×1000×4.184J=6.28MJ、86400秒で割って72.6W→約70W。白熱電球60Wとほぼ同じ。40人×70W=2800W。電気ストーブ1台1200Wで2800÷1200=2.3台→「2台ぶん」。恒温動物の安静時代謝は同体重の変温動物の5〜10倍(内温性のコスト・一般的な生理学の値)→安全側で6〜10倍と表記。※深部体温37℃はブロックA slide1と同値で統一。
S159
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● ふだん熱を捨てている主役は、汗ではなく赤外線
# 安静時の放熱の内訳 … 赤外線60%・汗22%・空気15%
↳ ふだんは体が光って捨てている。汗の出番は暑いときだけ
# 熱の出口になる皮膚 … 成人で約1.7㎡
↳ 畳1枚(1.65㎡)とほぼ同じ。この1枚で全部やりくり
* 空港や病院のサーモカメラが写しているのは、この赤外線
↳ 触らず体温が分かるのは、体が赤外線を出し続けているから
計算根拠
放熱の内訳:常温安静時で輻射(赤外線)約60%・蒸発約22%・対流約15%・伝導約3%(標準生理学の古典値)。体表面積:Du Bois式 0.007184×身長170cm^0.725×体重60kg^0.425=0.007184×41.4×5.70=1.69㎡→約1.7㎡。畳1枚(中京間 1.82m×0.91m)=1.656㎡でほぼ同値なので同ジャンル・同単位で対応。画面が「ホルモンと自律神経/寒いとき・暑いとき」まで書いている濃い枚なので、意図的に薄く6行に抑えた。
S160
S160
● 体は動かずに熱を作る手を、二つ持っている
# ふるえの熱産生 … 安静時の最大5倍
↳ 早歩き(安静の4倍)より燃やす。一歩も動かずに
# ふるえない発熱 … 褐色脂肪細胞
↳ ミトコンドリアだらけで、ATPを作らず熱だけ出す
* 新生児は震えられず、褐色脂肪が体重の約5%
↳ 3kgの子で約150g=板チョコ3枚ぶんの専用ヒーター
* 大人も首と肩甲骨の間に残ると2009年に判明
↳ 寒い部屋で痩せる説の震源。量は歳とともに減る
計算根拠
ふるえ:最大シバリング時の熱産生は安静時代謝の約5倍(最大酸素摂取量の40%程度)。早歩き=4METs=安静の4倍なので「早歩きより燃やす」が成立。褐色脂肪:新生児では体重の約5%→体重3kgで150g。板チョコ1枚50g(明治ミルクチョコレート)で150÷50=3枚。成人の褐色脂肪は2009年のNEJM3報(Cypess/van Marken Lichtenbelt/Virtanen)でPET-CTにより首・鎖骨上・肩甲骨間に確認。ブロックAには褐色脂肪の記載がないため新規アンカー。
S162
S162
● 締めているのは血管=熱でなく「熱の運び屋」を止める操作
↳ 熱は血が運ぶ。表へ回す量を絞れば逃げない
# 皮膚の血流の振れ幅 … ほぼ0〜毎分数L
↳ 蛇口の全閉と全開。切り替えは数秒で終わる
# 寒いときの指先 … 皮膚温15℃前後まで落ちる
↳ 深部37℃との差は20℃以上。手足を捨てて中心を守る
* 鳥肌は毛が立たないヒトでは保温の役に立たない
↳ ダーウィンが「役目を終えた名残」の例に挙げた
↳ 2020年、立毛筋は毛を生やす合図係と判明して名誉挽回
計算根拠
皮膚血流:最大血管収縮時はほぼ0、極端な暑熱では毎分数L(心拍出量の最大3割・slide167と同じ土俵)。倍率は文献値の幅が大きいため「ほぼ0〜毎分数L」と幅で表記し誇張を避けた。指先皮膚温:寒冷曝露で15℃前後まで低下(末梢の血管収縮)。深部37℃−15℃=22℃→「20℃以上」。深部37℃はブロックA slide1と統一。鳥肌:ダーウィン『人及び動物における感情の表現』で痕跡的反応として言及。2020年Cell(Shwartz・Hsuら、ハーバード大)で交感神経+立毛筋が毛包幹細胞の発毛を促すニッチと判明。
S165
S165
● 熱の材料は糖・足りなければ自分の体を溶かして作る
# 脳が1日に使うブドウ糖 … 約120g
↳ ごはん茶碗2杯ぶんの糖。脳だけで全消費の約2割
# 糖新生の原料 … 筋肉のタンパク質と脂肪
↳ 寒さもストレスも、長引けば体を削って燃やす
* 糖質コルチコイド=世に言うステロイド薬の本体
↳ 湿疹の塗り薬も点滴も、体内のこれと同じ仲間
↳ 1948年 寝たきりのリウマチ患者が数日で歩いた
↳ この一発でわずか2年後の1950年にノーベル賞
? 寒さとストレスで同じホルモンが出るのはなぜか →5秒
↳ 体にはどちらも「燃料をいますぐ増やせ」の合図
計算根拠
脳のブドウ糖消費は1日約120g。ごはん茶碗1杯(150g)の糖質は約55gなので120÷55=2.2杯→「茶碗2杯ぶんの糖」。脳のエネルギー消費は全身の約20%。コルチゾン投与:1948年9月 メイヨー・クリニックのヘンチが関節リウマチ患者に compound E を投与、数日で歩行可能に。1950年にケンドール・ライヒシュタイン・ヘンチがノーベル生理学医学賞(1948→1950で2年)。※ブロックAで既出の「糖質コルチコイド1日20mg=米1粒」「クッシング/アジソン」「ケネディ」は重複回避のため使わず、糖新生と薬の側面で新規に構成した。
S166
S166
● この経路だけ、効くのが今日でなく明日
# 効き始め … 数時間〜1日、効果は数日続く
↳ 秒の交感神経・分〜時間のコルチコイド・日のチロキシン
# チロキシンが足りないと … 基礎代謝が4〜5割落ちる
↳ 同じ量を食べても熱が出ない。着ても着ても寒い
* 「熱だけ出させる薬」DNPが1933年に痩せ薬として大流行
↳ 燃料を熱に変えるだけで痩せる=褐色脂肪と同じ原理
↳ 体温が上がりすぎて死者が出て1938年に禁止
* 寒い土地へ移ると数週間で寒さの感じ方が変わる
↳ 熱を作る側とためる側が、数日〜数週かけて冬仕様になる
計算根拠
時間軸の三段は既出値と整合させた:交感神経=秒(ブロックA slide94「アドレナリンは秒で効く」)/糖質コルチコイド=分〜時間(同slide94)/チロキシン=効果発現に数時間〜1日・持続は数日(血中半減期約1週間=ブロックA slide115と矛盾しない)。甲状腺ホルモン完全欠如で基礎代謝は正常の40〜50%低下(標準生理学)→「4〜5割落ちる」。※ブロックAで既出の「T4のヨウ素4個」「日本人のヨウ素摂取10〜20倍」「甲状腺15〜20g=10円玉4枚」「バセドウ120〜140%」「ウーパールーパー」は全部回避。DNP:1933年スタンフォード大(カッティング&テインター)が減量薬として発表、初年度に米国で約10万人が使用、白内障と高体温による死亡が続出し1938年の食品医薬品化粧品法で排除。脱共役=slide160の褐色脂肪と同じ原理で伏線回収。
S167
S167
● 冷やす専用の神経はない。締めていた手を緩めるだけ
↳ 血管は放っておけば広がる。だから「抑制」が放熱の合図
# 暑いとき皮膚へ回る血 … 心臓が送る量の最大3割
↳ 毎分1.5L=牛乳パック1本半。顔が赤いのは放熱中の証拠
# 汗腺の数 … 全身に200〜500万個
↳ 手のひらは1c㎡に約300個=小指の爪の中に300個
* 汗は拭いてしまうと涼しくならない
↳ 蒸発する瞬間だけ熱を奪う。垂れる汗は捨て損
* ウェールズの人対馬の35kmレース・2004年に人が勝利
↳ 全身で汗をかける哺乳類はまれ=暑い日ほど人が有利
計算根拠
皮膚血流:暑熱時は心拍出量の最大30%が皮膚へ。心拍出量5L/分(ブロックA slide4と同値)×0.3=1.5L/分。牛乳パック1L(ブロックA slide76で既出の同一アンカー)で1.5本。汗腺:エクリン汗腺は全身200〜500万個、手のひらは密度最大で約300個/c㎡。小指の爪の面積がほぼ1c㎡。人対馬マラソン(Man versus Horse Marathon・ウェールズ Llanwrtyd Wells)は約22マイル=35km、2004年にヒュー・ロブが人類初の総合優勝。※発汗の熱量(汗1L=580kcal=11℃ぶん)はブロックA slide3で既出のため意図的に使わず、血流量・汗腺数・持久狩猟で新規に構成した。
S168
S168
● 交感神経は0か1でなく、常に半分踏まれたアクセル
↳ 強めれば締まり、緩めれば広がる。切るのでなく踏み加減
# 例外は汗 … 汗腺の伝令だけアセチルコリン
↳ 交感神経の伝令は普通ノルアドレナリン。汗だけ別配線
# 副交感神経の体温への出番 … ほぼゼロ
↳ 血管も汗も褐色脂肪も交感の担当=ここは対で覚えなくてよい
* 緊張の手汗は体温と無関係に出る
↳ 刺激から1〜3秒。隠しても手のほうが先に答える
↳ ウソ発見器の項目の一つが、この手汗(皮膚の電気の通りやすさ)
計算根拠
比喩の裏づけ:皮膚血管には交感神経の持続的な放電(血管運動トーヌス)が常時あり、増減の両方向に動かせる=「常に半分踏まれたアクセル」。汗腺は交感神経支配でありながら伝達物質がアセチルコリン(交感神経コリン作動性線維)という体内唯一級の例外。体温調節の実行器(皮膚血管・汗腺・褐色脂肪・立毛筋)はいずれも交感神経支配で副交感の関与はほぼない。情動性発汗(手掌・足底)は体温と独立し、皮膚電気反応の潜時は刺激後およそ1〜3秒。ポリグラフの測定項目に皮膚電気活動が含まれる。※開発者名と年号は諸説あり(1921年ラーソンの装置は血圧・脈拍・呼吸で皮膚電気は後年の追加)のため書かなかった。
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● 体で最大の内臓なのに、壊れるまで何ひとつ文句を言わない
# 重さ … 約1.2〜1.5kg(体重の約2%)
↳ 500mLペットボトル3本を、右の肋骨の内側に抱えている
# 肝臓を通る血 … 1分あたり約1.3L
↳ 心臓が1分に押し出す5Lの4分の1が、まず肝臓行き
* 内部に痛みの神経がない=「沈黙の臓器」
↳ 7〜8割こわれるまで自覚症状が出ない
* 7割切り取っても数か月で元の大きさへ戻る
↳ 再生する内臓は肝臓だけ・生体肝移植が成り立つ理由
* プロメテウスは毎日ワシに肝臓を食われ、毎晩生え直した
↳ 紀元前8世紀の神話=古代ギリシャ人も再生を知っていた
* 「肝心」「肝が据わる」=働きを知る前から最重要臓器扱い
↳ 痛みも出さない臓器なのに、昔の人は大事さだけ見抜いた
計算根拠
重さ:成人肝1.2〜1.5kg。1.5kg÷500mLペットボトル1本(500g)=3本。体重60kgに対し1.2〜1.5kg=2〜2.5%→「約2%」。血流:肝血流は心拍出量の約25%。_livecard_A.json slide4で確定済みの心拍出量5L/分を土台に 5×0.25=1.25→「約1.3L」「4分の1」。ペットボトルは A で使った2L(尿崩症10L=5本)と別サイズ・別量なのでアンカー衝突なし。
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● 化学工場と違い、分業せず1種類の細胞が全部を一人でやる
# 肝細胞がこなす化学反応 … 500種類以上
↳ 1個の細胞が500の作業を掛け持ち=ライン工でなく万能職人
# 肝細胞の数 … 約2500億個
↳ 世界人口80億人の30倍が、同じ仕事を同時にしている
* 人工透析(腎臓の代役)は50年以上前からあるのに、人工肝臓はまだない
↳ 反応の種類が多すぎて、機械に置き換えられない
* 工場なら高温高圧が要る反応を、37℃・1気圧でやってのける
↳ 酵素という触媒があるから、体温のまま回る
計算根拠
肝細胞数:肝臓の細胞は約2500億個。世界人口80億人→2500÷80=31→「30倍」。人工腎臓(血液透析)の実用化は1940年代、日本での普及は1960〜70年代→「50年以上前から」。反応数500種以上は現行ノートの調査値を踏襲。温度は深部体温37℃(_livecard_A.json slide1と同値)を再利用し矛盾なし。
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● 七つはバラバラでなく「作る・壊す・貯める」の三つに畳める
↳ 作る=尿素・タンパク質・胆汁/壊す=解毒と赤血球
# 肝臓のグリコーゲン貯金 … 約100g
↳ 角砂糖(3g)33個ぶん。半日食べないと使い切る
# 体温維持 … 仕事でなく副産物
↳ 上の六つを動かせば勝手に熱が出る=働いた分だけ温まる
* 覚えろと言われる七つは、肝臓の仕事500のうちの七つ
↳ 1.4%だけ。残りは名前すら習わない
* この中で止まると数時間で命に関わるのは、解毒と尿素合成
↳ だから次の2枚が本命・残りは応用
計算根拠
肝グリコーゲン貯蔵量は約100g(筋グリコーゲン約300gとは別)。ごはん茶碗1杯150gの糖質は約55g→100÷55=1.8杯→「茶碗2杯ぶんの糖」。茶碗は _livecard_A.json slide115 で既に使った単位(1杯=ごはん150g)で、質量でなく糖質量として整合。7÷500=1.4%。空腹時の肝グリコーゲンは12〜24時間で枯渇→「半日」。
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● 尿素に変えるのは毒消しのためだけでなく、水を節約するため
↳ アンモニアのまま捨てるには、大量の水で薄めるしかない
# 窒素の捨て方は3通り … 魚アンモニア・哺乳類尿素・鳥尿酸
↳ 使える水が少ないほど固い形。鳥は卵の殻の中でも安全な尿酸
# 1日に作る尿素 … 約30g
↳ 大さじ2杯。尿1.5Lに溶かして毎日捨てている
* 尿素は1828年ヴェーラーが世界で初めて人工合成した有機物
↳ 「生き物にしか作れない」という当時の常識が壊れた瞬間
↳ 材料は完全な無機物のシアン酸アンモニウム
* 尿素回路の解明は1932年クレブス=ヒトで最初に解けた代謝回路
↳ 翌1933年ナチスに職を追われ英国へ・1953年ノーベル賞
* ドラッグストアの尿素クリームの尿素も、まったく同じ物質
↳ 水を抱え込む性質でかかとの角質をやわらかくする
計算根拠
尿素産生:成人は1日20〜35gの尿素を排泄→約30g。大さじ1杯=15mL≒15gなので30g=大さじ2杯。※_livecard_A.json slide87 で「30g=大さじ2杯」を既に確定させているので、同じ量に同じアンカーを再利用=矛盾なし(別アンカーを当てない)。尿量1.5Lは腎臓ブロックの180L→1.5Lと同値で整合。ヴェーラー:1828年、シアン酸銀+塩化アンモニウム由来のシアン酸アンモニウムから尿素を合成。クレブス&ヘンゼライト1932年に尿素回路、1933年ドイツを追われケンブリッジへ、1953年ノーベル生理学・医学賞。
S176
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● 解毒の1段目は、もっと強い毒に変える工程
↳ エタノールより毒性の強いアセトアルデヒドを必ず経由する
# 分解できる速さ … 体重60kgで1時間に約6g
↳ ビール500mL(アルコール20g)を消すのに3時間半かかる
# 分解酵素ALDH2が弱い型 … 日本人の約40%
↳ 白人・黒人にはほぼいない=東アジアだけの体質
# まったく分解できない欠損型 … 日本人の約4%
↳ 25人の教室に1人。飲めないのは根性でなく酵素ゼロ
* アセトアルデヒドはWHOが格付けしたグループ1の発がん物質
↳ アスベストと同じ段。顔が赤くなる人ほど食道がんに注意
* 弱い型の遺伝子は約2000〜3000年前の中国南部で生まれた
↳ 縄文人は持たず、渡来人が持ち込んだ=弥生時代以降の体質
* 飲んだ薬の多くは、効く前に肝臓で減らされている
↳ グレープフルーツはその分解酵素を止める=薬が効きすぎる事故
計算根拠
アルコール処理速度:体重1kgあたり1時間0.1gが目安→60kgで6g/時。ビール500mL・アルコール度数5%=25mL×比重0.79=19.8g≒20g。20÷6=3.3時間→「3時間半」。ALDH2:日本人はヘテロ(低活性)約40%、ホモ欠損(不活性)約4%。4%=25人に1人(0.04×25=1)で教室規模へ変換。アセトアルデヒド(アルコール飲料に伴うもの)はIARCグループ1。ALDH2*2は中国南部起源で約2000〜3000年前に拡散、日本へは渡来人経由。グレープフルーツはCYP3A4を阻害。
S180
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● 打撲のあざが最後に黄色くなるのは、この分解が皮膚の下で起きるから
↳ 赤紫→青→緑→黄の色変化=ヘモグロビンが壊れていく実況中継
# 壊される赤血球 … 1日 約2000億個
↳ 毎秒230万個。心臓が1回打つあいだに230万個が寿命を終える
# 赤血球の寿命 … 約120日
↳ 4か月で全部入れ替わる=今の血は4か月前の自分ではない
# 取り出した鉄のリサイクル率 … 95%
↳ 1日25mg(米1粒強)を回収し、食事から足すのは1mgだけ
* 緑色のビリベルジンを、わざわざ黄色のビリルビンに戻している
↳ 鳥や爬虫類は緑のまま捨てる=哺乳類だけの余計な一手間
* 捨てるはずの色素に、強い抗酸化のはたらきがある
↳ ゴミでなく体を守る側面もあると後から分かった
計算根拠
赤血球:全身約25兆個÷寿命120日=2.1×10^11個/日→「約2000億個」。2000億÷86400秒=231万個/秒→「毎秒230万個」。心拍60回/分=1秒1回なので1拍=約230万個で単位を揃えた。鉄:ヘモグロビン由来の鉄は1日約25mgが再利用され、食事からの吸収は約1mg=95%リサイクル。25mgは米1粒20mg(_livecard_A.json で確定済みのアンカー)の1粒強で表現し、体内総鉄3〜4gに一円玉4枚(Aで視床下部4gに使用済み)を当て直すのを回避した。ビリベルジン→ビリルビンはビリベルジン還元酵素、鳥類・爬虫類はビリベルジンのまま排泄。ビリルビンの抗酸化作用はStocker 1987。
S181
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● 色が付いていること自体が、胆汁が今日も腸に届いた証明
# 便の茶色の正体 … ステルコビリン
↳ 腸内細菌がビリルビンを変えた色。尿の黄色は兄弟のウロビリン
# 1日に作るビリルビン … 約250mg
↳ 米1粒(20mg)12個ぶんの色素で、その日の便が全部染まる
* 母子手帳には「便色カード」が綴じ込まれている
↳ 1〜7番の色見本。薄い色なら胆道閉鎖症の疑いで即受診
↳ 2012年から全国配布・見落とすと命に関わる病気
* 生まれたての便(胎便)は黒緑色で、においがない
↳ 腸内細菌がまだいない=色を作る職人が住み着く前
* 新生児黄疸の治療は、青い光を当てるだけ
↳ 光でビリルビンを水に溶ける形へ壊し、尿から流す
↳ 1956年、英国の看護師の「日光に当てた子は黄色が薄い」が発端
計算根拠
ビリルビン産生:体重1kgあたり1日約4mg×体重60〜70kg=240〜280mg→「約250mg」。250÷米1粒20mg(_livecard_A.json で確定済み)=12.5粒→「米1粒12個ぶん」。便色カード:胆道閉鎖症の早期発見のため2012年4月から母子健康手帳に全国添付、色見本は1〜7番。胎便は無菌・無臭で暗緑色(腸内細菌によるステルコビリン生成前)。光線療法はSister Jean Ward(英エセックス)の1956年の観察→Cremer 1958 Lancet。
S183
S183
● 熱の2割を出しているのは、体重のたった2%しかない臓器
↳ 重さあたりの発熱は全身平均の約11倍=体の中で一番熱い部屋
# 肝臓の産熱 … 安静時1日 約330kcal
↳ ごはん茶碗1杯半(1杯234kcal)を、寝ていても燃やし続ける
# 肝臓の温度 … 深部体温より約1℃高い38℃
↳ 肝臓を出た血が体でいちばん熱い=血が全身に熱を配って歩く
# 同じくらい熱を出すのは … 脳20%・骨格筋20%
↳ 肝臓と脳と筋肉の三つで6割。動かない時間は内臓が暖房
* 運動すると筋肉の発熱が全体の8割まで跳ね上がる
↳ 暖房の主役が内臓から筋肉へ交代する=動くと温まる正体
* ふるえは筋肉を空回りさせて熱だけ作る=最大で安静時の5倍
↳ ただし続くのは数十分。肝臓は24時間ずっと同じ熱を出す
計算根拠
体重比:肝1.2kg÷体重60kg=2%(slide169の重さと同値で整合)。発熱22%÷重さ2%=11倍。産熱量:基礎代謝1500kcal/日×22%=330kcal。ごはん茶碗1杯150g=234kcal(_livecard_A.json slide115で確定済みのアンカー)→330÷234=1.4杯→「1杯半」。肝温:肝静脈血は深部体温より約0.5〜1℃高く体内最高温→37℃(Aで確定)+1℃=38℃で矛盾なし。安静時産熱の内訳は肝22%・脳20%・骨格筋20%・心臓11%・腎7%=合計約80%。運動時は骨格筋が産熱の80〜90%を占める。ふるえ産熱は安静時代謝の最大4〜5倍。
S185
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● 腎臓は捨てる装置でなく、何をどれだけ残すか決める装置
# 腎臓を流れる血 … 毎分約1L(心臓が出す5Lの2割)
↳ 心臓が押し出す5杯のうち1杯が、常に腎臓へ寄り道
# 左右の腎臓 … 合わせて約260g・体重60kgの0.4%
↳ 体の0.4%が血液の2割を独占=いちばん血を欲しがる臓器
# 全身の血が腎臓を通る回数 … 1日 約290回
↳ 血液5Lを毎分1L通すので5分で一巡=5分ごとの全数検査
? 腎臓が作っているのは尿か、それとも血液か →10秒
↳ 尿は結果。作っているのは「ちょうどいい濃さの血液」
* 腎臓は内分泌腺でもあり、エリスロポエチンを出す
↳ 赤血球を増やせの指令。腎不全で貧血になるのはこれが減るから
↳ 自転車競技のドーピングで使われたEPOが、この同じホルモン
計算根拠
腎血流:腎臓を流れる血液は毎分約1.0〜1.2L、心拍出量5L/分(内分泌ブロックslide4で確定済み)の20〜25%→「毎分1L・5杯に1杯」。重さ:成人の腎臓は1個約120〜140g→左右で約260g。260g÷60,000g=0.43%→「0.4%」。通過回数:循環血液量5L÷毎分1L=5分で全血が一巡、24時間×60分÷5分=288回→「約290回」。心臓の全身一周1分(slide4)と単位(分)を揃えて対応させた。
S186
S186
● 腎臓は背中側・肋骨に半分隠れて守られている
↳ おなかを押しても触れない。腰を叩かれると響くのがこの位置
# 高さ … 第12肋骨あたり・へそより上
↳ 「腰」の感覚より指2〜3本ぶん上。ベルトの高さではない
# 大きさ … 縦10cm・幅5cm・1個約130g
↳ 握りこぶし大で、鶏卵(60g)2個ぶんの重さ
# 左右の高さ … 右が1〜2cm低い
↳ 上に肝臓(約1.4kg)が乗って押し下げるから
? 腰を叩かれて響くのは、どの臓器か →5秒
* そら豆に似た豆の英語名が kidney bean=インゲン豆
↳ 豆に似た腎臓でなく、腎臓に似ているから豆に名が付いた
* 腎移植は元の場所に戻さず、下腹部の骨盤の中へ置く
↳ 血管が近く手術しやすい。古い腎臓は残すので体内に3個になる
計算根拠
重さ:腎臓1個約120〜140g→130g。Mサイズ鶏卵1個約60g、130÷60=2.2→「鶏卵2個ぶん」(握りこぶし大と同じ“小さめ”方向のアンカーで揃えた)。右腎の低さ:上に乗る肝臓は約1.2〜1.5kg。牛乳パック1L=約1.03kgなので1.2kg=「1本強」。内分泌ブロックで牛乳パック=1L/1kgの単位を既に使っており、単位系を統一した(同じ量に別アンカーは当てていない)。
S189
S189
● 3つとも「捨てる」でなく「どれだけ残すか」の話
# 守る対象=体液 … 体重60kgで約36L
↳ 2Lペット18本。この18本の濃さと量を毎日決め直す
# 症状が出るのは … 腎機能が30%を切ってから
↳ 7割こわれて初めて自覚。肝臓に並ぶもう一つの沈黙の臓器
# 人工透析 … 週3回×4時間=週12時間
↳ 腎臓の週168時間の仕事を、14分の1の時間で代行
? 腎臓が止まって数日で命を奪うのは、何がたまるからか →10秒
↳ カリウム。心臓が止まる。尿素より先にこちらが効く
* 日本の透析患者は約34万人・1人あたり年約500万円
↳ 掛け算すると年1.7兆円規模=失うといちばん高くつく臓器
計算根拠
体液:体重の約60%が水、60kg×0.6=36L。2Lペットボトル36÷2=18本。透析:週3回×4時間=12時間、1週間は24×7=168時間、168÷12=14→「14分の1の時間で代行」(時間を同じ“週の時間”単位で対応させた)。患者数:日本透析医学会の統計で約34万人、1人あたり年間医療費約500万円→34万×500万=1.7兆円、丸めて「年1.5兆円規模」。腎機能30%はCKDで自覚症状が出始める目安(GFR30未満)。
S197
S197
● ネフロンは1本の細い管・それが腎臓に100万本ある
# ネフロンの数 … 片方の腎臓に約100万個・左右で約200万個
↳ 群馬県の人口(約190万人)とほぼ同じ数が、こぶし2個の中に
# 全部つなぐと … 約80km
↳ フルマラソン(42km)2回ぶんの管が、腰の中で折り畳まれている
# ろ過膜の総面積 … 約1.5㎡
↳ 畳1枚(1.65㎡)弱。体の表面積とほぼ同じ広さが腎臓の中にある
? 使い切ったネフロンは、新しく作られるか →5秒
* ネフロンの数は生まれた時に決まり、あとは減る一方
↳ 一度こわれても再生しない。40歳から10年で約1割ずつ減る
* 数の個人差が10倍以上(片腎21万〜270万個)
↳ 少なく生まれた人ほど高血圧や腎不全になりやすい
計算根拠
数:片腎約100万ネフロン(標準値)→左右200万。群馬県人口は約188万人(2024年推計)でほぼ同数=生徒の生活圏で最大の「数のアンカー」。長さ:ネフロン1本の尿細管は約3〜5cm、200万本×4cm=8,000,000cm=80km。フルマラソン42.195km、80÷42=1.9→「2回ぶん」。面積:糸球体のろ過面積の合計は約1.5㎡(ヒトの体表面積1.6〜1.7㎡とほぼ同じ)。畳1枚は1.65㎡(中京間)なので1.5㎡=「畳1枚弱」。個人差はBertramら2011のネフロン数計測(21万〜270万個/片腎)。
S206
S206
● ろ過を押しているのは心臓の血圧・腎臓に絞る筋肉はない
# 糸球体の血圧 … 約60mmHg(普通の毛細血管の3倍)
↳ 高い圧で水を押し出す。血圧が落ちると尿が作れなくなる
# こし出す速さ … 毎分約125mL
↳ 紙コップ(200mL)6割強を毎分。止まらないシャワー
# 通れる境目 … 分子量7万・直径にして約4nm
↳ グルコース(180)は素通り・アルブミン(6.6万)は止まる
# ふるいの基準 … 大きさ+マイナスの電気の二重チェック
↳ 同じマイナスの分子は、小さくても電気ではじかれる
* 健康診断の「尿タンパク」は、このフィルターの破れ検査
↳ 漏れると尿の泡がなかなか消えない=腎臓からのSOS
? 原尿は血液と比べて、何が抜けた液か →5秒
↳ 血球とタンパクだけ抜いた血液。差がつくのは次の再吸収から
計算根拠
糸球体の毛細血管圧は約60mmHg、全身のふつうの毛細血管は約17〜20mmHg、60÷20=3→「3倍」(両方mmHgの同単位で対応)。GFR:毎分125mL。自販機の紙コップ200mLに対し125÷200=62.5%→「6割強」。分子量:グルコース180、アルブミン66,000で約370倍の差、ろ過の実効境界は分子量約7万。電荷バリアは現行ノートの予習コラム(日本腎臓学会)記載を踏襲。
S208
S208
● 99%を戻すむだな作りが、1%刻みの微調整を可能にする
# 1日のろ過 … 約180L → 捨てる尿は約1.5L
↳ ドラム缶1本(200L)こして、牛乳パック1.5本だけ捨てる
# 再吸収率 … 99.2%
↳ 戻す率が1%下がるだけで尿は2倍以上=そこがホルモンの仕事場
# 尿に糖が出る境目 … 血糖 約170mg/dL
↳ 診断ラインの126をさらに超えた先。初期の糖尿病は尿に出ない
* 腎臓は体重の0.4%なのに、酸素は全身の約8%を使う
↳ 戻す作業がそれだけ力仕事=塩を汲み上げ続けるポンプ代
* 糖尿病の英名 mellitus は「蜂蜜のように甘い」
↳ 昔の医者は尿をなめて診断した。甘ければ回収が破綻した証拠
? 全部こして全部戻す、この二度手間の得は何か →10秒
↳ 戻す量を変えるだけで、どの成分も自在に増減できる
計算根拠
ろ過180L/尿1.5L=設計書§6-3の確定例をそのまま採用。ドラム缶200Lに対し180Lで「1本ぶん」、牛乳パック1Lに対し1.5Lで「1.5本」。再吸収率:1.5÷180=0.83%が排出→99.17%≒99.2%。戻す率が1ポイント下がると排出1.83%×180=3.3L、3.3÷1.5=2.2→「2倍以上」。腎糖閾は約160〜180mg/dL→170を採用(血糖ブロックslide157の診断基準126mg/dLとは別概念なので矛盾しない)。酸素消費:腎臓は体重の約0.5%で全身の酸素の7〜10%を消費→「0.4%/約8%」でslide185の0.4%と数値を統一。
S209
S209
● 尿の濃さを最後に決めるのは集合管・ここだけが日替わり
# 尿の濃さの幅 … 最も薄い時と濃い時で約24倍
↳ 同じ体から、水のような尿も麦茶色の尿も出てくる
# 濃縮の上限 … 血液の約4倍まで
↳ ここがヒトの限界。砂漠のカンガルーネズミは20倍まで絞る
# 海水1Lを捨てるのに要る尿 … 約1.5L
↳ 塩を出すのに自分の水を足す=海水を飲むほど脱水が進む
* カンガルーネズミは一生ほとんど水を飲まない
↳ 集合管に続くループが長く、絞る力がヒトの5倍
* 上流のろ過量はほぼ一定・出す量を決めるのは最後の数cm
↳ 蛇口は末端にある。ホルモンが握るのもそこだけ
? 朝いちばんの尿が濃いのはなぜか →5秒
↳ 寝ている間は飲めないので、水を戻す側に振り切っている
計算根拠
尿浸透圧はヒトで最低約50〜最高約1200mOsm/kg、1200÷50=24→「約24倍」。血漿は約300mOsm/kgなので1200÷300=4→「血液の4倍まで」。カンガルーネズミの最大尿浸透圧は約6000mOsm/kg、6000÷300=20→「20倍」、20÷4=5でヒトの5倍。海水:ガイトン生理学の記述どおり、海水1L(約1200mOsm)を排泄するには最大濃縮でも尿約1.5Lが必要=差し引き水を失う。海水の塩分3.5%は内分泌ブロックslide2(体液0.9%の4倍)と同じ値で整合。
S211
S211
● 体が守っているのは塩の量でなく、水と塩の比率
# 血液5Lに溶けた塩 … 約45g
↳ 食塩小さじ7杯半。糖(小さじ1杯)の7倍もの量が溶けている
# 許される振れ幅 … 前後1.5gほど
↳ 小さじ4分の1ずれるだけで、頭痛・吐き気・けいれん
# 日本人の食塩摂取 … 1日約10g(目標は男7.5g・女6.5g)
↳ 小さじ2杯弱。食べた分とほぼ同じ量を腎臓が毎日捨てる
* 濃くなった時の1手目は腎臓でなく、のどの渇き
↳ 感知役は視床下部=血糖と同じ司令塔。腎臓は2手目
? 塩が濃くなった時、体は塩を捨てるか水を足すか →10秒
↳ まず水を戻して薄める。塩を動かすより速くて確実
計算根拠
塩:体液の塩類濃度0.9%(内分泌ブロックslide2で確定済みの値)×血液5L=45g。食塩は小さじ1杯=6gなので45÷6=7.5杯。糖は同じ血液5Lで約5g=小さじ1杯(slide2・slide112で確定)なので、スプーン数で7.5対1→「糖の7倍」と同じ“小さじ”単位で対応させた。振れ幅:血漿Naの基準135〜145mmol/L(中心140)=±3.6%、45g×0.036=1.6g→「前後1.5gほど」=小さじ4分の1(1.5g)。摂取量:国民健康・栄養調査で男性約10.9g・女性約9.3g→約10g、10÷6=1.7杯→「小さじ2杯弱」。目標量は食事摂取基準2020の男7.5g未満・女6.5g未満。
S212
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● 引き金は塩の濃さ・たった1%の変化で分泌が始まる
# 作動する境目 … 体液が1%濃くなった時点
↳ 体液36Lの1%=汗360mL。コップ2杯の汗でもうスイッチ
# 効き方 … 集合管に水だけの通り道を開け閉め
↳ 開けば水が戻って尿は濃く少なく、閉じれば素通りで薄く多い
* ビール1L飲むと尿は約1.1L出る(分泌が抑えられるため)
↳ 飲んだ以上に出る=お酒は水分補給にならず、逆に脱水
↳ 二日酔いの頭痛の正体のひとつが、この脱水
? 汗をかいた日の尿が濃く少ないのはなぜか →5秒
↳ 濃さを感じて分泌が増え、集合管で水を回収したから
計算根拠
浸透圧受容器は体液浸透圧の1〜2%の変化で反応する。体液36L(slide189と同じ60kg×60%)の1%=360mL。コップ1杯180mLなので360÷180=2杯。ビール1L→尿約1.1Lは設計書§6-3の確定例をそのまま採用。※内分泌ブロックslide91で既出のADH・vaso/press語源・オキシトシン・アクアポリン・尿崩症1日10L(2Lペット5本)は重複を避けて一切使っていない。
S213
S213
● バソプレシンは水の係・こちらは塩の係、戻す物が違う
# 代表の名 … アルドステロン(副腎皮質)
↳ 出ないと塩と水が抜け続ける=アジソン病で血圧が落ちる
# 汗2Lで逃げる塩 … 約6g
↳ 食塩小さじ1杯ぶん。水だけ飲むと体液が薄まって熱中症へ
# 汗の塩分 … 0.3%前後(体液0.9%の3分の1)
↳ 汗は真水寄り。だから汗の後は水と塩をセットで戻す
* このホルモンは汗腺にも効く=夏を越すと汗が薄くなる
↳ 暑熱順化。同じ量の汗でも、失う塩が半分以下に減る
* 甘草(リコリス)の食べすぎで、この作用が暴走する
↳ 2020年報告・1日1〜2袋を3週間で54歳男性が心停止
↳ カリウムが抜けすぎて不整脈。漢方の甘草も同じ成分
? スポーツ飲料に塩が入っているのはなぜか →5秒
↳ 水だけでは体液が薄まり、この係が働いても追いつかないから
計算根拠
汗の塩分濃度は0.2〜0.5%→0.3%を採用。体液0.9%(内分泌ブロックslide2で確定)に対し0.3÷0.9=1/3→「3分の1」と同じ%単位で対応。汗2L×0.3%=6g、食塩小さじ1杯=6gなのでちょうど1杯(slide211の“食塩小さじ=6g”と統一)。暑熱順化ではアルドステロン作用で汗中Na濃度が約半分以下に低下する。甘草:グリチルリチンが11β-HSD2を阻害して鉱質コルチコイド作用が暴走(偽アルドステロン症)。NEJM 2020報告の症例=マサチューセッツの54歳男性が黒リコリス菓子を1日1〜2袋・3週間食べて低カリウム血症から心停止・死亡。アジソン病は内分泌ブロックslide103で既出のため、同じ病名で接続させ矛盾を作っていない。